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鶏の解体に行ってきた〜マリポ農園(君津市)


普段、ヤーコン茶やキクラゲでお世話になっている
マリポ農園さんがゲストをお呼びして鶏の解体をするというので行ってきました。

というのは、自身で農業に触れる機会も多いわけですが、
畜産(食肉)に関してはリアルの現場というのを
しっかり見たことが無いため、一度経験をしておこうと思った次第です。

※写真の中に、鶏を解体し肉にするまでの流れを含んでいます。
心情的に「かわいそう」という気持ちがある方もいるかもしれませんが、
実際に日々店舗に並んで我々が口にしている食肉は
このような流れで製品化されていることを理解していただきたく、
敢えて載せています。
ご理解のうえ、ご一読ください。

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ちょっと遅れてしまったので、導入部分はあまり聞けず自己紹介後スタート!

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先生は君津にお住いの陶(すえ)さん。マリポさんによると生き物のプロだそうです。

詳しくは書きませんが生き物関連で会社を経営されています。

この日締めるのは皆様聞いたことがあるかもしれない名古屋コーチン。
脚と尻尾が黒いのが特徴。

締める前に結構元気に鳴いたりそこそこ暴れたりしまして、
こういうの聞くとちょっと辛くなりますが、
だからこそ食べる前の「いただきます」に大きな意味を持たせられるような気がします。

ちなみに、締める時の注意点として3点、
「かわいそうと言わないこと」(皆わかっているので)
「現場をしっかりと見ること」
「見れない場合は目を閉じること」

という説明がありました。

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締める方法としては、

棍棒で叩いて気絶させたり、首を切り落としたりする手法があるそうなのですが、
「生き物とわからなくなってしまうのが好ましくない」ということで、
首元の脈のあるところにナイフを入れて気絶させ、血を抜いて絶命させる、という手法が取られました。

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血を抜いて絶命させるまでの時間、反射?によって少しだけ暴れる時間があるそうです。

それまでの時間、吊るして見守ることになります。

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絶命しました。ありがとう。

お湯につけて毛を柔らかくしていきます。

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想像よりも簡単に毛がむしれていきます。

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あっという間にこんな感じになります。

子供も怖がりながらもチャレンジしていました。
いますぐどうこう、ってわけじゃないと思いますが、
子供の頃に一度こういうことを経験してたら、忘れないと思うし
大人になった時に何か食の問題に直面した時に思い出してくれるんでしょうね。

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ちなみに鶏の足です。

ここも皮が剥けます。

ここだけ見るとああなるほど、って思うかもしれませんが
鶏の祖先って恐竜なんですってね。

ちなみに鶏の足ってラーメンとか料理ですごく良いダシが出ます。
意外と皆さん知らないようでした。

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最終的にはこのような形になります。

見慣れた丸鶏に近い感じです。
細い産毛などは、バーナーなどで焼いて処理をするそうです。

ちなみにこの工程、屠殺場とかだともっと機械でオートメーション化されているそうですが、
そういうのを見て鶏肉が食べれなくなる方も聞いたことがありますので、
けっこうハードなんでしょうね。

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捌いていきます。

モモから外していくのが一般的だそうです。
この時、肉の表面に「筋膜」という薄い白い膜があって、それも外していきます。
新鮮だと出るそうなんですね。

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肩と胸の境にある手羽も外していきます。

ちなみに、手羽の部分は解体していくと骨の部分で右手、左手がわかるようになっていて
店舗では見栄えがよくなるようにどちらかの手でパッケージしているみたいです。

あと、ここには載っていませんがよく居酒屋で言う「なんこつ(軟骨)」もしっかりあるのですが、
一羽でほんとうに少ししか取れません(個体によるようですが)

一般的に商品として出されてる「皮」は首の皮の部分がほとんどだというのも新しい発見でした。

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これはかなりびっくりでしたが、

砂肝の中って小石が詰まってるんですね。

自分で小石を食べて体の中に取り込んで、
硬い食べ物と砂肝の中の石をすり潰して消化していくんだそうです。

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心臓、肝臓、砂肝などの内臓も食べられますので、解体していきます。
生食できるかどうかは、解体してみて状態次第なのだとか。

これは慣れていないと相当大変です。

魚が切り身の姿で海を泳いでいると思っている主婦の方がいた、という話、
本当かどうかわかりませんが、
こういう過程でお店に並んでいると思うだけで敬意を表したくなります。

解体中に「肉が赤い気がする」という質問が飛びましたが、
健康な鶏の肉はよく動くので赤いんだそうです。

逆に、ケージ飼いであまり動かない鶏は白いのだと…

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先に解体していたものを味見。

特に砂肝が美味しかったですね。
お腹も空いていたのもあり、あっという間に無くなりました。

脂の味っていうか、弾力があって鶏の肉の味がしっかりわかるものでした。

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ご自身を「キクラゲ農家」と呼んでいるマリポ農園さんですが、

このキクラゲは間違いなく美味い。

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鶏だけで出たスープ。脂が浮いて色も濃くてコッテリした感じですが、

これに塩を加えるだけでしっかりスープになります。

「ラーメンの鬼」と言われた佐野実さんがラーメンを作り始めた時に
こういう鶏だけで出た濃い出汁スープに驚き
「素材が良いとここまで味が違うのか」と驚き食材にこだわり始めたという逸話があります。

余談ですね。

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最後、みんなでいただきます。

なんにせよこういうものは自分で経験してみないといけないなと。

生活の根幹になる衣食住でも、色々な価値観があって、
価格を優先するのか、安全を優先するのか、デザインを優先するのか、
それを他人に強制することは難しいと思います。

ただ、自分の決断だったり、他人の決断の参考にするために、
経験の幅と値を増やしておくことは必要ではないかと。

食に関しては、やはり生産者と直に話すことでわかることも多いので、
そういう機会があれば是非情報交換していただければと。

ファーマーズマーケットに出店されたり、
独自に今回のようにイベントを行うこともありますので、
チェックしてみてください。

Mariposa(マリポ農園)Facebookページ

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